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INTP 秋の女

akumu

もう数年、睡眠障害に悩まされている。上手に眠れないのはもうほとんど諦めているが、問題は悪夢である。もともと夢を見ない日はほとんどないのだが、それにしてもここ最近の悪夢は酷い。私の見る悪夢は、主に追いかけられたりだとか、殺されかけたりというものがほとんどだ。この前は某どうぶつの森の3匹のキャラクターが擬人化し、突然豹変して殺されかけたという夢を見た。これらを話したらファンタジーな夢だね、と言われたことがある。確かに現実ではそうそうありえるシチュエーションではない。しかし、感覚としてはかなりリアルなのである。夢の中で夢だと気づくこともない。ゾンビに爪をたてられた感覚は起きてからもしばらく手の甲に残っていたし、どうぶつに首を絞められる苦しさで30分くらい心臓がバクバクして動けなかった。検索をかけたら悪夢障害というものがヒットした。なんだそれ、もう薬は飲みたくない。助けてくれ。

 

まあ、だいたいこのようなものは精神系の問題が起因している。ストレスとは大分うまく付き合えるようになってきたつもりだ。今だって、眠れないから春雨スープを飲み、好きな音楽を聴きながら、こうして文章を書いている。昔の私だったら薬を飲みずっと布団の中で泣いていただろう。あの頃は毎日飽きることなく泣き続けていたが、最近はさすがに涙も枯れたのか全く泣くことがなくなった。その代わり感情の起伏も乏しくなった気がする。元々他人に対して関心が強い方でもなく、共感性も高いほうではなかったが、最近はそれが顕著に出てきてしまい、しばしば対人関係で困難を生んでいる。

 

現在は就活生の身だが、どの職種どの企業に行ってもだいたい「大切なのはコミュニケーション能力」だとか、「人が好きな人がこの仕事に向いている」と言われる。生まれてこのかたコミュニケーションなんてまともにできた覚えがないし、人間なんて大嫌いだ。

だいたい、人間はほんとうに最悪だ。同じ種族のくせに、何百年たっても差別や偏見はなくならないし争いは止まない。私利私欲に走って、人を貶め、騙す。愚かにも程がある。表ではいい顔をしても裏では何を考えているかわからない。身勝手に生態系を破壊し地球を汚染している。どんなに理性的なフリをしても、結局は三大欲求に逆らえない野蛮な生き物である。そんな最悪の生き物がこの地球に存続していいわけがない、生殖をやめ、今にも滅んでほしい。…と呪いの言葉を吐いてみるが、私の周りでは当然これに該当する人はおらず、みんな優しくユーモア溢れる理知的な人たちだ。最悪なのは私だけだったってワケ。

 

人間に向いていないことなんて、布団に籠城し自問自答を繰り返した数年間でわかっている。が、ここ最近がちょっと楽しかったばかりに、私でも人生をやっていけるのかもしれないという期待を抱いてしまった。死を成功させる勇気もないくせに生きることから逃げたいと願い続けている、いつか救われたい。受け身でいたくないので、いつか救う。

そうそう、面接の練習をしていた時に、大学のキャリアカウンセラーから「あなたの話は具体性が足りない」と指摘されたことがあった。それはそう。この文章は思いのまま書いているので、読み返しもしていないが、まあこれもかなり抽象的すぎる自覚はある。何が言いたいのか全然わからない?伝える気は、ない。こんなのでコミュニケーションを取る気もない。コミュニケーションというのは、もっと、ちゃんとした、双方向が…相互理解のための…意思を……

 

これは紛れもなく私にとって悪夢に分類されるものなのだが、昔好きだった人の夢を定期的に見ている。誤解のないように言っておくが、未練なんてものは全くないし、連絡を取る手段もないほどとうの昔に縁がなくなった人だ。というか、当時ですらまともに会話をした覚えがない。この私が、好きな人とまともに話せるわけがない。それで、その人と夢の中で私は普通に会話をしたり遊びに出かけたりしており、多少の幸福感は生まれるが、寝起きの絶望感といったら真面目に死のうか考えるほどだ。私にとって「ありえたかもしれない未来」というのはとても怖い。自分の怠惰がこの人生を生んでいて、もっと努力していればもっとマシな人生があったかもしれないと気づいてしまう。

 

といいつつ、今の人生にそこまで不満があるわけではない。納得はしているつもりだ。自分が不幸であるとまでは思わないし、幸い人には恵まれている方だとは思う。私が数年間大事に抱えすぎて発酵に失敗し、完全に腐敗したことにより毎日の睡眠を妨げている悩みは、ほとんどの人が思春期に捨ててしまったものなのかもしれない。それでも今日も眠れず朝日が昇ってしまったし、きっとまた悪夢を見る。